1983年?にシチズンから発売された ベガ クォーツ ジェッタ です。
型番（機種番号−モデル番号）は DA20-396359 です。
ベガ は以前ご紹介した Q&Q と同じくシチズンのブランドの一つです。
液晶下部には「VEGA ALARM CHRONOGRAPH」と書いてありますが、『デジタル時計操作早わかりの手引き'84』には「ベガ クォーツ ジェッタ」と記載されており、どうやらこれが正式なモデル名のようです。
ただし「ベガ ジェッタ」「VEGA JETTA」「CITIZEN JETTA」などで検索しても、本モデルの情報が全く出てきません。また、本モデルのモジュール名（DA20）と併せて検索してもほとんど情報が出てきません。
まさに幻の激レアモデルです。

デザインは、右側に縦配列で大小のボタンが4つ並んでいるという、一度見たら忘れられないクセの強いデザインです。
カッコいいかどうかは意見が分かれるところで、決して万人受けするとは思えませんが、個人的には奇抜さがありながら決して悪くないデザインかと思うので、もう少し売れてメジャーになっても良かったのでは？というモデルです。

液晶面の右側にボタンが並んでいるので、左腕に装着して右手で操作すると通常のボタン配置より操作しやすいような気がしますが、実際はあまり変わりません。
逆に、左利きの人が右腕に装着した場合は、ボタン操作時に液晶画面を隠す形となるので、操作性は最悪と思われます。

ジェッタはボタン配置に目が行きがちですが、液晶面のデザインもなかなか凝っています。
特に曜日表示は各曜日の頭文字（SMTWTFS）を常時表示したまま2文字目以降を液晶で「隠す」ことで、直感的にも分かりやすい表示となっています。
また、最下段のモード表示も、使わない部分を液晶で「隠す」ことで表示する方式です。
モード表示が2行に分かれているのは、一番左側の「AL（アラーム）ON」「CHI（チャイム）ON」をそれぞれ独立で表示する（隠す）ためです。
（1枚目の写真の角度で見ると液晶が若干透けて見えるので表示の仕組みがよく分かります）

機能的には単にボタン配置が一般的なモデルと異なるだけで、アラーム機能、ストップウォッチ機能、ライト（豆球）と、この時代のデジタル腕時計の標準的な機能は備わっています。
ちなみにボタン配置は上から順に「ADJUST」「MODE」「LIGHT」「SELECT」に相当します。
ストップウォッチ時は、一番上のボタンで「START/STOP」一番下のボタンで「RESET」です。

また『デジタル時計操作早わかりの手引き'84』に掲載のモデルは本モデルと一見同じに見えますが、良く見ると
・ボタンの色が異なる（掲載モデルはボタンが黒でベース部が白色）
・ボディの形状も若干異なる（掲載モデルは丸みを帯びている）
・「VEGA」のロゴプリント位置が左右逆
であり、同じモジュール（DA20）を使用した微妙に異なるモデルのようです。
こちらのモデルはさらに激レア？なので実物にお目にかかったことはありませんが、いつか入手したいと思ってます。