発売年 | 1975 | 定価 | 38,000 | モジュール | 68010 | |
機能 | 秒表示 | ○ | アラーム | - | 音 | - |
曜日表示 | - | SW | - | ライト | - | |
年設定 | - | DT | - | ボタン数 | 2+タッチ部 | |
特徴 | 「世界初、さわるデジタル。」写真撮影が難しいです。 |
オリエントから1975年に発売された LED腕時計、タッチトロン です。
当時の広告では、正式名称として「水晶発振発光ダイオード全電子ウォッチ タッチトロン」と書かれています。
レトロフューチャー感全開で何ともカッコいいです。
実は液晶(LCD)のデジタル腕時計が普及する前は、デジタル腕時計と言えばLED腕時計でした。
LEDといっても現在のLEDディスプレイに用いられているLEDとはかなり異なり、赤色の単色LEDを7セグメントの形に並べたものです。
LED時計のメリットとしては、液晶表示とは異なりLED表示自体がかなり明るく光るため、夜間の視認性が抜群であることです。(バックライトが不要)
しかしLED自体が発光する分、消費電力が液晶に比べて格段に大きく、腕時計のボタン電池がすぐに電池切れとなってしまいます。
そのため、当時のLED腕時計の大部分は、ボタンを押している間だけLED時刻表示が点灯するタイプの物がほとんどでした。
この「タッチトロン」はその名の通り、ボタンを押さなくても「タッチ」するだけで時刻が表示されることを売りにしていました。
当時の広告には、
『世界初、さわるデジタル。』
『ワンタッチで時分、ツータッチで日付。
かるくさわるだけで時刻を表示
ブラックマスクにルビーの輝き
暗がりでもくっきり鮮明』
と書かれています。
構造的には腕時計本体の絶縁体よりガラス側の金属部分全体がタッチセンサーになっています。
しかし、このタッチ機能が非常に繊細で、服によっては袖口があたっただけで反応してしまうなど、誤作動が多いのがネックです。
そのため、何年か後に、タッチ部分を小さくしたモデルや金属部分を一部を除いてコーティングしたモデル、ロックボタンが付いたモデル等、改良モデルが発売されています。
オリエントの公式サイト上でも「ただし、誤操作が起きやすかったのか、後にボタンによる点灯表示のタッチトロンⅡがリリースされた。」とシラッと書かれています。
あと、タッチトロン(というか昔のLED腕時計全般)の特徴として「写真が撮りにくい」ことがあげられます。
当サイトの写真は全て一般的なスマホで撮影しているのですが、タッチトロンは指を離すと2秒ほどで表示が消えてしまうため、時刻表示された1枚目の写真の状態をスマホで一人で撮影しようとすると、
「片手でスマホを構えながらもう一方の手でタッチ」→「指を離す」→「素早くブレないようにシャッターを切る」ことが必要となります。
さらに、LEDは人間の目に見えない早さで高速点滅しており、しかもLED素子毎に点滅のタイミングが異なるため、タイミングが合わないと全セグメントが点灯した状態の写真が撮れません。
シャッタースピードを遅く設定すれば良いのですが、その場合三脚等が無いと写真がブレブレになってしまいます。
本モデルは本当はもっと早い段階で紹介したかったのですが、写真撮影に手こずってしまい、紹介が遅くなってしまいました。